カウンセリングの後、気持ちが落ち込むのはなぜ?
カウンセリングを受けたのに、帰ってから気持ちが落ち込んでしまった・・・
このような人が少なくないようです。
気持を整理するためにせっかく時間とお金を使ってカウンセリングを受けに行ったのに、これでは本末転倒です。
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。またどうしたらこのようなことを防ぐことができるでしょうか。
日本のカウンセリングは、それぞれの施設が自分たちの独自の理念のもとにカウンセリングを行っており、技術が一定でない、という問題点があります。
よって、カウンセラーの技量によって結果がまちまちということが起こり得ます。
カウンセリングの後にクライエントが落ち込んでしまう、というのはいくつか理由がありますが、多くの場合、カウンセラーの力量不足が関係していると思われます。
- (1)話を聞くだけのカウンセリングの弊害
- (2)ラポール(信頼関係)が築けていない
- (3)「抵抗」を起こしている
(1)話を聞くだけのカウンセリングの弊害
本来、カウンセリングは様々な療法や技法があり、クライエントの問題に応じて組み合わせてやっていくべきなのですが、日本ではまだまだ「傾聴」といって「話を聞く」というスタイルのカウンセリングが主流です。
このやり方だと、カウンセラーはあくまで受け身でクライエントの話しを受容、共感するのみになってしまうことが往々にしてあります。
このようなカウンセリングを受けると、最初は、話を聞いてもらうだけでスッキリしたり安心したりすることが多いのですが、何度も通っているうちに、「何か話さなければいけない」とクライエントが話すことを用意していかなればならないような気持になってしまったり、「話過ぎてしまった」という罪悪感を抱いてしまい落ち込んでしまうことがあります。
(2)ラポール(信頼関係)が築けていない
カウンセリングではカウンセラーとクライエントとの間の信頼関係をラポールと言います。
カウンセリングの初期はクライエントの話しを聞きながら、ラポールを築いていくことがなによりも重要となるのですが、カウンセラー側の問題点として、この関係づくりに失敗していることが考えられます。カウンセラーはクライエントが安心して自分と向き合うことができる雰囲気をつくっていくことが重要なのです。そしてその上で、丁寧に問題の核心に近づいていくことが求められます。ところが、カウンセラーとラポールが築けないままに、深い問題に向き合わされたりすると、信頼していない人に心の内を覗かれたという不快感や、カウンセラーにどう思われたのだろうか、という不安感を抱かせてしまいます。また、親や周りの人に罪悪感を抱いてしまったり、自分の見たくない部分に急に向き合わされて落ち込んでしまったりします。
よく「カウンセラーとの相性を見極める」と言われますが、2~3度通ってしっくりこない場合は、カウンセラーを変更した方が良いかもしれません。
(3)「抵抗」を起こしている
カウンセリングが進んでくると、自分では全く気付かなかった部分、またはうすうす気づいていたが自分では認めたくなった部分に向き合わなければならない場面が出てくることがあります。その際、「頭ではわかっているが、認めたくない、できれば目をそらしたい」という気持ちに駆られることがあります。このような気持ちを「抵抗」と言い、カウンセリングで良くなっていく段階で多かれ少なかれ誰にでも現れるものです。
この抵抗の中で、今までの自分を改めて見つめて自己嫌悪に陥ったりすることがあります。
ただ、多くの場合、この状態を過ぎると「今までの自分にも意味があった」と思うことができ、精神的に安定するものです。
ただ、なるべく抵抗を激しく起こさないような丁寧なアプローチがカウンセラーには求められます。
カウンセリングを受けた後に落ち込んでしまった場合は、上記のどこに原因があるのかを見極めると良いでしょう。
そして(3)の抵抗以外の理由であれば、カウンセラーを変更するのもひとつだと思います。
また、多くの場合はカウンセラー側の問題です。落ち込んでしまったことで自分を責めないことが重要です。
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