コロナノイローゼ(神経症)の克服法
新型コロナウイルスによる自粛要請がようやく全面的に緩和され、少しずつ日常が戻ってきました。ただ、相変わらず東京では毎日感染者の数が一定数報告されています。
そのような中で、私たちはこの未知のウイルスと共存するために、マスクを着用したり、三密を避けたり、手洗いをこまめにするなどの新しい生活様式を取り入れながら生活していく必要があると言われています。
ところが、過度にコロナウイルスを恐れて身動きがとれなくなってしまっている「コロナノイローゼ(神経症)」と呼ばれるような人が増えているようです。 皆さんはこのような症状はないでしょうか?
- コロナノイローゼの症状とは?
- なぜコロナノイローゼになってしまうのか?
- どうしたらよいのか?
コロナノイローゼの症状とは?
①電車など人が多くいるところが怖くて行くことができない。
②手を洗ってもまだまだウイルスがついているのではないかと不安で手洗いがやめられない。
③何度もコロナウイルス関連のニュースをチェックしてしまい他のことが手につかない。
④自分の身体が少しでも普段と違うと、コロナウイルスに罹ったのではないかと怯える。
⑤自分や自分の家族がコロナウイルスに罹ってしまったらどうしよう、と不安で仕方がない。
コロナノイローゼになると、上記のような症状がみられます。
なぜコロナノイローゼになってしまうのか?
そもそもノイローゼになりやすい人は、「生の欲望」が強いと言われます。「生の欲望」とは「よりよく生きたい」という気持ちです。より健康で安全な生活を送りたい、という気持ちが人よりも強いのです。誰でもこのような気持ちはあり、この気持ち自体は悪いものではありません。ただ、心には不思議なからくりがあり、より良い状態を求めれば求めるほど、その反対の不健康な状態を意識してしまい、そんな状態になってしまったらどうしよう、という不安や恐怖心も強くなってしまうのです。そしてその不安や恐怖心を何とか取り除こうとすればするほど、それが余計に大きく感じられてとらわれてしまうのです。
私たちは、実はこれまでも様々なウイルスや細菌と共存してきました。
そして、この新型コロナウイルスも、現在のところ完全に無くなることはないと言われています。つまり、人間は無菌状態で生きていくことは現実的には不可能なのです。
このように私たちは「白か黒」のようには割り切れない「グレー」の中で生きているのです。
ノイローゼになりやすい人はこの「グレー」を受け持つだけの心の許容量が少ないともいえるのです。
どうしたらよいのか?
では、このような不安や恐怖心におぼれないためにはどうしたらよいのでしょうか。
コロナウイルスに対する不安や恐怖心は誰でもが持っているものです。だからそれをことさら取り除こうとせず、「あるがまま」にしておきながら、今やるべきことに意識を集中していくことです。
例えば、感染するのではないかと怖い、でも怖い気持ちをあるがままにしておきながら、手洗いなどに気を付けて仕事をするために電車に乗って会社に行く、ということです。
このような姿勢を「目的本位」と言います。これは、神経症に有効な日本で生まれた心理療法「森田療法」の考え方です。
また、毎日毎日、ワイドショーなどで新型コロナウイルスに関する情報ばかりを見ていると不安を煽られ冷静な判断ができなくなります。時にはそのような情報から距離を取り、冷静に判断することを心掛けることも大切です。
ノイローゼの傾向がある方は、より良く生きたいというエネルギーが強いのです。そのエネルギーを健全な方向に向けていくことがポイントとなります。
当学院のカウンセリング講座では「森田療法」をはじめ、ノイローゼに有効な様々なカウンセリング技法を学ぶことができます。
コロナウイルスによるノイローゼや鬱など、自分自身のメンタルヘルスや周りの人のケアなどに役立てることが可能です。
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