依存的な人の心理
皆さんの周りに、「依存的でいつも人にべったり甘えている人」はいませんか?
物事を自分で決めることができなかったり、いつも人に合わせてばかりで自己主張がなかったり、些細なことを不安に感じていたり、時には周りを巻き込んで、まるで手のかかる子供のように見えたりすることがあるかもしれません。
このような依存的な人にはどのような心理があるのでしょうか。
どうしたらよいのでしょうか。
- 依存的な人の特徴
- 依存的な人の原因は
- 依存関係から抜け出すには?
依存的な人の特徴
依存的な人にはいくつかの特徴があります。
・物事を自分で決めることができない
レストランに入っても自分が食べるものを決められず、相手に「何が良いと思う?」などと聞いて注文したり、出かけようとしても「どこでもいいよ」と自分で決めることができません。
・主体的に動くことができずミスを相手のせいにする
自分で考えて行動することが苦手で、指示がないと動けないということがあります。ミスをしても自分で責任をもつことができず「相手が的確に指示を与えてくれなかったからだ」と相手のせいにします。
・自己主張せずに相手に流される
自分がどうしたいか、という視点が欠けているので自己主張がなく、相手に委ねてしまいます。強い相手であれば言いなりになって対等な関係が築けないことがあります。
・不安感が強い
何かを決めたとしても自分の決定に自信が持てず、常に「これでいいのだろうか」という不安感に苛まれてしまいます。
・常に誰かと一緒にいたがったり確認したがったりする
その不安感を払しょくするために、誰かと一体化することで心の安定を保とうとします。これを心理学では「同一化」と言います。相手と適度な距離が保てず、常に一緒にいることを望んだり、相手の気持ちを確認したがったりします。
依存的な人の原因は
では、なぜ依存的になってしまうのでしょうか。いくつかの原因が考えられます。
・成育歴の問題
例えば、非常に過保護で過干渉な親の元で育ってきたという場合です。自分で考えて行動する前に親がすべてやってくれてしまったり、失敗しても親が肩代わりして責任を取ってくれてしまっていた、ということがあります。
・自立ができていない
その結果、精神的な自立ができておらず、年齢を重ね、大人になっているにも関わらず、心は子供のままであることがあります。
・自己肯定感が低い
また、親のそのような態度は暗に「あなたは一人では何もできない」というメッセージを与えていくことになります。つまりこのような環境で育った子供は「自分は一人では何もできない人間である」という思い込みをもって生きていくことになります。
・負の悪循環に陥る
また、人は責任をもって行動したことが人から評価されることで自己肯定感を高めていくことができます。依存的で自分の行動に責任を持たないと、いつまでたっても自己肯定感は高まりません。依存的であればあるほど、自己否定感を強めるという悪循環に陥るのです。
依存関係から抜け出すには?
ではどうしたら依存関係から抜け出すことができるのでしょうか。
・共依存に注意
依存的な人が周りにいる場合は、自分と「共依存」になっていないかどうか注意することが大切です。
「共依存」とはお互いがお互いに依存し、もたれ掛かっている状態です。
相手に頼られ依存されることに自分自身の存在価値を見出してしまっていて、いつの間にか「もっと自分を必要として欲しい」という気持ちが芽生えてしまうこともあります。
・距離を取る
もし、依存されることに負担を感じるのであれば、相手と距離を取ることです。
そして相談されても「あなたはどうしたい?」「あなたはどう思う?」とフィードバックしていくことです。依存心が強い人は依存できそうな人をターゲットとして無意識のうちに選んでいます。このようにフィードバックされると依存させてもらえないことがわかり、相手との距離ができていきます。注意することは、決して「相手を変えてあげよう」と思わないことです。このように考えてしまうと、相手の依存心を増すことになります。
・自分の依存心に気づく
もし、自分自身が依存的である場合は、カウンセリングを受けたり、心理学を学ぶことをお勧めします。自分の成育歴をふり返り、自分で自分を育てていくことが心の成長に繋がります。
その結果、自立が促されて自分自身に責任をもって行動することができるようになるのです。
カウンセリングを学ぶと自分自身のことや周りの人の心理がよくわかるようになります。
その結果、どのように行動すれば良いかがわかってくるのです。

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