ダメな人に惹かれる心理
皆さんの周りに、いつもダメな相手とばかり付き合ってしまう人はいませんか?
DV夫と別れて再婚したら今度は借金癖のある人だった、いつも我が儘な相手の世話を焼くようなポジションになってしまう、など苦労するとわかっているのにいつの間にか同じような人間関係のパターンを繰り返してしまうのです。
なぜ、ダメな人に惹かれてしまうのでしょうか。
- ダメな人に惹かれてしまう人の特徴
- なぜダメな人に惹かれてしまうのか
- なぜ同じパターンを繰り返すのか
- どうしたらよいのか
ダメな人に惹かれてしまう人の特徴
ダメな人に惹かれてしまう人にはいくつかの特徴があります。
それは
・真面目で世話好き
・人の役に立ちたい思いが強い
・子供のころからしっかり者
などです。
きちんとした印象の人が多く、周りの人からは「なぜあなたのような人があんな人と付き合ってしまうの?」「あなたならもっと良い人がいるのに」と不思議がられることが多いのです。
なぜダメな人に惹かれてしまうのか
では、なぜダメな人に惹かれてしまうのでしょうか。
それは子供の頃からの「社会的役割」に関係しているのかもしれません。
私たちは皆、社会の中で何かしらの役割を演じながら生きています。
例えば、長男、長女として生まれ、自分の下に兄弟がいると必然的に「兄、姉」という役割が課せられます。
そして、弟や妹の面倒をみたり、自分の気持ちを抑えて我慢するたびに、親から「さすがお兄ちゃんね、お姉ちゃんね」などと良い評価がもらえる、という経験をすることがあります。
子供は親からの愛情が欲しいため、注目や良い評価を得ようとそのような行動を繰り返すようになるのです。そしてその役割に存在意義を見出すことがあります。
つまり、世話を焼いたり、我慢したりすることで親からの承認をもらい評価を得てきた経験から、相手の愛情を得る手段としてそのようなパターンを繰り返そうとするのです。
誰でもがこのような社会的役割を持っているのですが、時に親の期待するような自分以外には価値がない、などと思いこんでしまうことがあるのです。
なぜ同じパターンを繰り返すのか
このように、私たちは皆、親子関係の中で人間関係のひな型を形成し、それを元にして、現在の人間関係を作っています。つまりそのひな型が無意識に刷り込まれているのです。
そして、ことあるごとにそのひな型を様々な人間関係の中で再現しようとします。精神分析を創始したフロイトはこれを「反復強迫」といいました。
なぜ、何度も何度も再現しようとするか、というと親子関係の中でできた心の傷を、同じパターンを繰り返す中で修復したいからなのです。でも修復できない、するとまた次の人間関係の中で再現し、修復しようとするのです。
そして、そのひな型が歪んでいたり、極端になっていたり、硬直化していたりすると今の人間関係をスムーズに営むことが難しくなったり問題を抱えたりすることになるわけです。
どうしたらよいのか
では、このような場合はどうしたらよいのでしょうか。
それにはまず、自分の繰り返しがちなパターンに気づくことです。
「ダメだとわかっているのに繰り返してしまう」というのは、
・過去の親子関係でのパターンを繰り返して、そこで満たされなかったものを他者に求めているということ
・それを他者で満たすことは無理なことなのだということ
この2点に気づくことが重要です。
場合によってはカウンセリングを受けて、カウンセラーとともに心を整理していくことが必要です。
フロイトはある人に「人生で最も大切なことはなにか」と聞かれたときに「愛することと働くこと」と答えたそうです。
満たされなかった思いを何とか満たそうと執着するとしらずしらずのうちに歪んだ形で相手からの愛情を求めてしまうことがあります。執着するのではなく、満たされなかった思いを自覚した上で、今現在自分のまわりにいる人を健全な形で愛すること、そして働いてまわりの人に還元していくことが大切なのかもしれません。

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