相手を理解する方法~防衛機制とは~
皆さんは、「どうしてこの人はこんなことをするのだろう?」と相手の言動に腹が立ったり、理解できないことはないでしょうか。
例えば、いつも攻撃的な態度を取る人に傷つけられたり、信頼していた人に急に裏切られたり、理不尽な思いをして時に人間不信に陥ってしまったり・・・
でも人の言動の裏側には、皆それなりの理由があるのです。 その理由とはなんでしょうか。
防衛機制とは
その理由の一つに「防衛」というものがあります。ボクシングなどの格闘技でも、攻撃だけではなく防衛することが大切なのと同様に、私たちは自分が傷ついたり、ダメージをうけないように防衛するのです。
そして、自分の心を守る無意識の働きを「防衛機制」といいます。」これは心理学者のフロイトが提唱した概念です。
人の心の働きとは
フロイトは人間の心を、働きの違う3つの部分から成り立っていると考えました。
その3つの部分というのは、攻撃欲などの本能を司るエス、理性や良心を司るスーパーエゴ、そしてその両方を現実をみながらうまくコントロールしていくエゴという部分です。
車の運転に例えると、エスはアクセル、スーパーエゴはブレーキ、エゴは交通ルールを見ながらハンドルを握る運転手といえるかもしれません。
ブレーキとアクセルをうまくコントロールして運転できていれば問題ありませんが、あまりにも交通ルールが厳しすぎたり、アクセルが暴走したり、その反対にブレーキが強すぎてしまうと、うまく運転ができず、運転者に大きな負担がかかることになります。
つまり、運転者であるエゴにはエスとスーパーエゴと現実という3方向から大きな圧力がかかります。
あまりにもその圧力が強すぎると、人間は精神が破綻してしまいます。
その破綻を防ごうと、人間は無意識のうちに自分を守ろうとして防衛機制を働かせるのです。
無意識のうちに行っていることなので、多くの場合は自分の言動の源が自我を守ろうとする防衛機制であることに気づくことはできず、何度も同じような人間関係やコミュニケーションのパターンを繰り返してしまうことがあります。
防衛機制の種類「反動形成」
例えば、防衛機制の一つに「反動形成」というものがあります。
好きになってはいけない人を好きになってしまった、というときに本心では、相手のことが好きで好きでたまらないのに、その気持ちが溢れてしまうことを恐れるあまりに相手に冷たく接してしまう、というようなものです。
こんなふうにストレスフルな状況下で自我を守るために、本心である自分の欲求や感情を正反対の形であらわしてしまうことがあるのです。
防衛機制の種類「投影」
また、「投影」という心理規制があります。
これは自分の感情や欲求を相手の中に鏡のように映して見てしまうことです。
最近、「毒親」という言葉がありますが、母親にずっと受け入れてもらえなかった、という女性からの相談があることがあります。このような場合、娘に問題があるのではなく、母親にこの投影という心理規制が働いていることがあります。
例えば、母親自身がコンプレックスを抱えていて、解決できていない場合、娘の中に自分の姿を見てしまい、娘を受け入れられないということが起こるのです。
攻撃的な人への対応法
同じように、とても攻撃的な人も、本当は弱い自分を見せまいと防衛しているなんていうことがあります。なぜ、そんなことをするのかというと、幼少期の家庭環境の中で、そうやって自分を守らないと生きて行けなかったのかもしれません。そのパターンから中々抜け出せずに、本人も人知れず悩んでいたり、心の奥底では泣いていたり、なんていうこともあります。
このように、表面の攻撃的な態度の意味がわかると、相手を深く理解することができます。
そして、表面的な態度に反応するのではなく、相手が心の奥底で感じていることを認めてあげると、人間関係はうまくいくのです。
心理学を学ぶメリットの一つに自分のこころだけではなく「相手を理解することができる」ということがあります。カウンセリングを学んで、相手の心理がわかると人間関係の質が変わります。人間関係の質が変わると、自分自身の人生の質が変わります。
ぜひカウンセリングを学んでみてください。
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