自分を大切にする方法
「自分を大切にしましょう」こんな言葉がよく聞かれます。
でも「自分を大切にする」とはいったいどういうことなのでしょうか。
なぜ、私たちは時として自分を大切にすることができず、自暴自棄になったり、疲れ果てたりしてしまうのでしょうか。
自分を大切にするとはどういうこと?
私たちには、感情や欲求があります。何か刺激を受けたときに、それに対して「私はこう感じるな、私はこうしたいな」という気持ちです。
でも同時に「私はこうすべきだ」という思考も働いています。
自分を大切にする、というのはこの二つのうちの「こう感じる、こうしたい」という自分の感情や欲求を大切にすることなのです。
ところが、いつも「こうすべき」という思考を優先してしまい、自分の感情や欲求に気づくことができなかったり、気づいても相手の気持ちより、自分の気持ちを優先することに罪悪感を感じてしまう人がいるのです。
なぜなのでしょうか。
なぜ自分を大切にできないの?
このような方に多いのは、幼少期から自分の感情や欲求を抑えることを繰り返してきたために、自分の感情や気持ちに気づきづらい状態が通常となってしまっていることです。例えば、小さな妹や弟のために自分の気持ちを我慢することが当たり前だった、親の顔色を窺って自分の感情や欲求を抑えてきた、などというものです。
このような環境では、自分の感情を抑え、周りを優先する行動がとれると、親をはじめとする周囲から「聞き分けが良くて良い子ね」「我慢強くて偉いね」などのプラスの評価が与えられるため、その行動を学習し強化していくことになります。
自分の気持ちを抑えることが成功体験となってしまっているため、その後、様々なシチュエーションで自分の本当の感情や欲求を抑圧していくことになります。
失感情とは?
その結果、自分自身が「今、何を感じてどうしたいのか?」ということがすっかりわからなくなってしまうということが起こるのです。これを「失感情」と言います。
でも、この状態は本来の自分を抑圧した無理のある形なので、やがてこれが様々な身体の症状となってあらわれることがあります。
身体の症状は、いわば自分からのSOSのサインなのです。
自分の感情や欲求を受容すること
では、自分を大切にするためにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは、自分の内側に目を向けて、自分の感情や欲求をじっくり観察することです。
「本当は嫌だな」「不快だな」「不安だな」「もっとこうしたい」「こうして欲しい」など、本音に気づくことです。
そして、どのような感情や欲求があったとしてもそれらを否定せず、「こういう気持ちがあったんだ、こんな自分がいたんだ」と受容していくことです。
折り合いをつけること
そして、周りの期待と自分の本音の折り合いをつけることです。
多かれ少なかれ、誰でも周りの評価を気にしています。特に日本人は他人配慮的な国民性があり、他人からどう思われているかが自己肯定感に反映されやすいと言われます。
でも、自分を大切にできない人は、実は他人を大切にすることもできないのです。
このようなタイプの人は、他人の期待に100%応えようとしてしまい、自分を0%にしてしまう、他人の期待に応えないと今度は自分が100%になって他人が0%になってしまう、という0か100かという極端な態度を取りやすいのです。
大切なのは、自分も相手も生かしていける折り合いのつけ方をみつけることなのです。そのために、アサーショントレーニングという自己主張の方法を学ぶのも一つです。
私たちは普段、「感情や欲求」と「思考」を分けて考える癖がありません。
でも、カウンセリングを学ぶとこれらを分けて考えることができるようになり、
自分の感情や欲求に敏感になります。
そして自分の感情や欲求を大切にすることができると、自分自身の人生を自分らしく生きていくことができるようになるのです。
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