なぜメンタル不調を繰り返してしまうのか
人間関係や激務、将来の不安など、様々なストレスにさらされて、メンタルに不調を抱えている人が増えています。
その結果、神経症や心身症、うつなどを発症し、精神科や心療内科でお薬をもらったという人もいるかと思います。
お薬を飲むと確かに症状が軽減するのを感じることが多いかと思います。
ところが、また同じようなストレスにさらされると、メンタル不調を繰り返してしまう、こんな人も多いようです。
なぜなのでしょうか。どうしたら良いのでしょうか。
①薬の意味
緊張や不安、憂うつなどの精神的な症状やストレスから来る頭痛や腹痛などの身体の症状が辛い場合には、精神科や心療内科で投薬治療を受けることは確かに有効です。短い期間で効果が表れるため、それだけで安心できることもあるかと思います。でも、いつまで薬を飲めば良いか不安になったり、止めたとたんまた不調を繰り返してしまうこともあります。
薬は出てきた症状を抑えるだけの対処療法にすぎません。
多くの場合、メンタル不調には心理的な原因があって、その結果、症状が現れているため、症状だけを薬で取り去っても心理的な原因が解決できなければ、何度もメンタル不調を繰り返してしまうことになります。
②精神科医療と心理カウンセリングの違い
よく、精神科や心療内科での診療を「3分診療」などと言うことがあります。
これは「長時間待ってやっと診察室に入ったのに、診察時間はものの3分程度で、医師はほとんど話も聞いてくれない」という意味です。
精神科医療の目指すところは、「適応」ということです。原因はどうあれ、薬で症状を緩和し、日常生活に「適応」することを目標とするのです。よって、原因をあれこれ聞く必要はない、と考える医師もいます。(ただし、初回は診断のために色々と話を聞いてくれる医師も多いようです。)
片や心理カウンセリングでは、症状を扱うのではなく、その症状を出さざるを得なくなった心理的な原因に目を向けていきます。
→参考「精神科とカウンセリングの違い」
③心理的な原因とは
心理カウンセリングでは症状は何らかのSOSのサインであると考えます。人には幼少期から培われた自分なりの「心の癖」があります。
例えば、「周りの目ばかりを気にしてしまう」、「いつも失敗してはいけない、と力んでしまう」、「人と自分を比較してしまう」、「自分の気持ちを抑えてしまう」「白か黒か、極端な考え方をしてしまう」などはすべて「心の癖」なのです。
人がある刺激を受けたときに、それがストレスとなるかならないか、というのは、この「心の癖」によって、どのようにその刺激を受け取り処理しようとするか、ということが関係しています。
ストレスによる精神的、身体的な症状は、このような「心の癖」が自分に無理を科し、その結果、自我がSOSのサインを出してきている状態であると考えます。
④心理カウンセリングとは
心理カウンセリングでは、話を聞きながらその人のもつ「心の癖」を解明しています。
そして様々な療法や技法を使ってこの「心の癖」を修正していくようなアプローチをしていくのです。
「心の癖」は幼少期から長年かけて出来上がったものなので、それを修正するためには、ある程度の時間がかかることが一般的です。よってカウンセリングはお薬と違って、即効性があるわけではありません。ただし、一度カウンセリングを受け、自分自身の心の癖を理解し、どのように対処すればよいかを学ぶことで、今後の様々なストレスに対して自分の力で対応することができるようになるのです。
⑤メンタル不調を繰り返さないためには
よって、症状が辛い場合には精神科や心療内科で投薬治療をしながら、同時に自分の心の癖を見つめる心理カウンセリングを利用することが望ましいと思われます。
メンタル不調に陥った時は、実は自分自身を見つめなおして成長するチャンスなのです。
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