感情をコントロールする方法

不安で仕方がない

悲しくてやりきれない

怒りが収まらない

イライラが止まらない

そんなとき、何とか気持ちを切り替えようと努力していませんか?

ところが、努力しても感情を変えることができず、そんな自分にさらに落ち込んでしまったりします。

実は、感情自体を努力で変えることは難しいのです。

なぜなのでしょうか。また、どうしたら感情をコントロールできるのでしょうか。

感情をコントロールできない原因は?

私たちは不快な感情を感じたときに、「こんな気持ちを持つべきではない」「早く忘れるべきだ」などという「思い」をもつことがあります。この「思い」というのはすべて頭で考えること、つまり「思考」です。

思考というのは意識することで変えることができるのですが、感情は直感的に無意識で感じるものなので、「努力」という意志の力で変えることには無理があるのです。

実は、感情を意志の力で無理やり押さえ込んだり、ねじ曲げようとすると、余計にとらわれたり形を変えて体の不調となって現れたりしてしまいます。

心には「注意の法則」というのがあり、注意が1点に向いてしまうと、余計にそれが気になってしまいます。そして気になるので何とかそれを取り去ろうとします。

ところが、不快な感情を排除しようとすればするほど、私たちはそこに囚われます。これを「努力逆転の法則」と言います。努力して何とかしようとすればするほど、それが大きなものに感じられて余計にとらわれてしまうのです。

これはちょうど眠れない時に、眠ろう眠ろうと努力すると余計にそこに意識が向いてしまい眠れなくなってしまうのと一緒です。

そのような心の癖が原因となり「神経症」や「心身症」や「パニックのような症状」など様々な心身の不調を呈することもあります。

ではどうすれば良いのでしょうか。

感情をコントロールする方法①不快な感情を取り去ろうとしないこと

私たちは誰でもショックなことがあれば落ち込みます。また、不安や怒り、緊張は私たちがより良く生きていくためのセンサーなのです。誰でもが自然に持っているものをなくそうとするところに無理が生じ、そこにとらわれ余計に不快感が大きくなり、しまいには手がつけられないくらいになってしまうのです。

感情をコントロールする方法②不快な感情を「あるがまま」にしておくこと

「取り去ろう」とか「抑えよう」などともがかずに、不快な感情はあるがままにしておき、今やるべきことに神経を集中していきます。例えば、不安なら不安のまま人と会う、イライラはそのままで今の仕事に集中する、という具合です。  

このようなトレーニングには今、話題の「マインドフルネス瞑想」なども有効です。

感情をコントロールする方法③客観的にみる練習をする

イライラ、不安、緊張といったマイナスと思われがちな感情を客観的に眺めることができれば、感情は不思議なくらい静まっていきます。この時のコツは良い、悪いを判断しないことです。他人事のように一歩離れて自分の感情をぼんやり眺めてみましょう。

感情をコントロールする方法④「思考」をコントロールする

例えば、人に不機嫌な態度をとられて不快なとき、どんな考えが浮かぶでしょうか?

「相手は私のことが嫌いに違いない」と考えるのと「相手は嫌なことがあってただ単に不機嫌だっただけだ」と考えるのでは、その後の感情が変わってくるはすです。

何でもネガティブにとらえてしまう傾向がある人は、その受け取り方(思考)が感情に影響を与えて不快感を引き起こすのです。

「思考」は自分の意志の力で変えられる部分です。

自分の考え方の癖に気づいて別の受け取り方がないか検討してみましょう。

感情をコントロールする方法⑤「行動」をコントロールする

行動も感情に影響を与えています。またこの行動も意志の力で変えられる部分です。不快な感情に囚われてしまっている時には、行動も消極的になりがちですが、まず動いてみることです。小さなことから行動に変化を与えます。積極的に動くことで今まで気づかなかったことに気づいたり、視野が広がり感情が変わっていきます。

特にうつ状態にある人は、気持ちの落ち込みはもちろんのこと、些細なことにイライラしたり、焦燥感を感じたりします。そのような時は無理に感情を変えようとせず、行動や思考を変えていくことが重要です。


不快な感情は生きている限り無くなることはありません。誰でもが感情の波を持っていて時にその波が大きくなってしまうことがあるのです。

ただ、言い換えれば、様々な感情を大きく感じると言うのは、感受性豊かに人間らしく生きている証拠なのです。

大切なことは、その不快な感情に振り回されずに上手に付き合っていくことなのです。

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カテゴリ:コラム