ワクチン接種が不安!~予防接種ストレス関連反応とは?~
小さい頃、注射が苦手だった、という人も少なくないのではないでしょうか?
予防接種は必要だと頭では理解していても、痛いのではないか?副反応が出てしまうのではないか?などと多くの人が緊張や不安を感じているかと思います。
特に今、日本でも新型コロナウイルスのワクチン接種が盛んに行われています。
ワクチン接種をする人の中には、接種に対する過度の緊張や不安から、過呼吸やめまい、動悸や失神などの症状を起こす人がいると言われます。
これらの症状をWHO(世界保健機関)では「予防接種ストレス関連反応(ISRR)」と定義しています。
では、予防接種ストレス関連反応とはどのようなものでしょうか?
- 予防接種ストレス関連反応とは?
- どのような症状が起こるのか?
- 予防接種ストレス関連反応を起こさないためには?
予防接種ストレス関連反応とは?
予防接種ストレス関連反応とは、予防接種による心理的不安、ストレスによって起きる反応のことを言います。
新型コロナワクチン接種が進むに伴い、SNSなどを中心にデマも含めた多くの副反応に対する情報が飛び交っています。
例えば、ワクチンを接種すると不妊になるとか遺伝子の組み換えが行われるなど科学的根拠のないものから、接種した箇所に電球を当てると明かりがつくなどという冗談のようなものまで様々です。
実際には、主な副反応は接種した翌日に
・37.5~38度くらいの発熱
・倦怠感
・接種箇所のひどい痛みと腫れ
・筋肉痛
・頭痛
・嘔吐
などの症状が出たり、ごくまれに全身性のアレルギーが起こるアナフィラキシーが出ることがあると言われています。
これらの副反応はワクチンに含まれる物質などによって引き起こされるものですが、この予防接種ストレス関連反応は、接種に対する様々なSNS上に飛び交う情報などによって引きこされる不安、ストレスによるもので、心理的原因で起こるものなのです。
例えば、
・過去のワクチンに対するネガティブな体験
・テレビなどのメディアによる情報
・友人、知人からの情報
年齢層では若い人に起こりやすく、男性よりも女性のリスクが高いと言われます。
特に若い人はSNSでワクチンに対する否定的な情報に多くさらされ影響を受けていることが考えられます。
また、若年者は感受性が強く、他の人の反応を見て連鎖的に気分が悪くなる集団発生の可能性もあります。
どのような症状が起こるのか?
この予防接種ストレス関連反応は急性反応と遅発性反応の2種類に分類できます。
①急性反応 ⇒ 接種前から接種時および接種直後に起こる
a)ストレスにさらされた際に交感神経が活性化して起きる反応
頻脈、動悸、息切れ、過呼吸、口渇、発汗など
b)交感神経に対する防衛機制として副交感神経系が活性化した結果起きる
血管迷走神経反射として
徐脈、血圧低下、眼前暗黒感、めまい、失神など
②遅発性反応 ⇒ 接種後数日経過に起こる(おおむね接種後7日以内)
解離性神経症状障害(ICD-11)⇒ 脱力感、四肢麻痺、言語障害など
予防接種ストレス関連反応を起こさないためには?
多くの場合は、気持ちを落ち着かせ不安を取り除くことで症状を緩和できます。
具体的には、誤った情報過多のため起きるので信頼できる機関から正しい情報を得ること、医療関係者などとコミュニケーションをとり不安を軽減することが重要です。
また、リラックして接種を受けられるように、深呼吸をしたりしてリラックスすることです。
謝った情報に振り回されず、落ち着いてワクチン接種を受けることが大切です。
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