リモートワークうつ、在宅うつの解消法
コロナウイルスの蔓延により、政府からは、Zoomなどを使ったリモートでの在宅勤務が推奨されています。
リモートワークになって、最初は「もう満員電車に乗らなくて良い!」、「通勤時間がない分、時間を有効に使える!」とメリットを感じていた人も多いのではないでしょうか?
ところが最近、そのような人たちから「うつっぽい」、「しんどい」などという言葉が聞かれるようになりました。
環境の変化は私たちの心身に様々な影響を与えます。リモートワークはなぜ不調を引き起こすのでしょうか?また、どうしたら不調を解消できるのでしょうか?
- オンとオフの切り替え
- 生活リズムの乱れ
- コミュニケーションの問題
オンとオフの切り替え
皆さんは通勤時間をどのように過ごしていますか?人によっては、本や新聞を読んだり、音楽を聞いたり、携帯ゲームを楽しんだり、と様々な時間を過ごしているかと思います。
実は私たちは、このように通勤時間に何かに没頭することで、オンとオフのモードを切り替えているのです。つまり、会社に行くときには、適度な緊張が交感神経を働かせ活動的になり、会社から帰る時には副交感神経を優位にしてリラックスモードへと切り替えます。
ところが、通勤時間がないとモードを切り替えるシステムが働きづらくなります。
また、身だしなみを整えたり服を選んだり、ということもなくなり人目を気にしなくなったという人もいますが、このような緊張感が持てないこともオンとオフの切り替えができない原因の一つです。
では、どうしたらよいのでしょうか。
それには自分の生活の中でオンとオフを切り替えるルーティーンを作ることです。
例えば、仕事時間前には15分間ストレッチをしてから仕事に入る、仕事が終わったら30分間だけゲームをする、などです。
また、タイムスケジュールを立てることも大切です。
まずは1週間のスケジュールを作り、それを1日単位に割り振り、何時から何時まではどの仕事をするのか、を決めます。漫然と仕事をするのではなくタイムスケジュールに沿って仕事を進めるようにすることです。
生活リズムの乱れ
オンとオフの切り替えができないと、生活のリズムが崩れやすくなります。
交感神経が興奮したままだとなかなか寝付けなかったり、眠りが浅かったりで、寝不足になってしまいがちです。その結果、日中の仕事中に睡魔に襲われてしまい、仕事のパフォーマンスが低下してしまうことになります。
また、ずっと家にいると運動不足になりやすくなります。運動不足であることがまた食欲の低下や睡眠の質の低下につながります。
ではどうしたらよいでしょうか。
休憩時間に気分転換を兼ねて近所を散歩したり、筋トレをしたり、意識的に運動量を増やすことが大切です。
特に、外に出て日差しを浴びると、セロトニンの分泌が促進されます。
セロトニンは不足するとうつ状態になったり無気力になりやすくなります。また睡眠にはメラトニンという物質が必要ですが、このメラトニンはセロトニンから作られます。
リモートワークだと家の中にこもりがちになりますが、積極的に日差しを浴びるようにしましょう。
コミュニケーションの問題
また、リモートワークでは圧倒的にコミュニケーションが不足します。
会社にいれば、業務のことも気軽に聞くことができたのに、リモートワークではそういうわけにもいかず、業務が滞ってしまったり、不安感を増してしまうこともあります。
それだけではなく、私たちは会社に行くと、否が応でも人と触れ合いコミュニケーションを取ることになります。時にはそれがストレスになることもありますが、業務に関係のない雑談が気分転換になったり、人間関係を深めるきっかけとなったりすることもあります。
人間には「親和欲求」といって人と繋がり戯れたいという基本的な欲求があります。この欲求が満たされないと人は孤独感を増し、うつ状態になることもあります。
リモートワークでは、どうしても業務中心のドライな会話になりがちで、人とのふれあいが不足してしまうのです。
ではどうしたらよいでしょうか。
それには、会社の人に限らず、なるべく自分をオープンにして話せる相手をみつけることです。自分をオープンにすることを「自己開示」と言います。
自分の状況や今の気持ちなどを素直に相手に伝えることです。相手から自己開示されると「自分を信頼してくれた」と感じ、相手も自己開示してくれることが多いものです。
そのようにして人間関係を深めていくことができます。
精神分析を創始したフロイトはある人から「人間にとって一番大切なことは何か?」と問われたときに「愛することと働くこと」と答えたそうです。
私たちの健全な生活に「働くこと」は欠かせない要素です。
そんな中、コロナウイルスの蔓延をきっかけに、リモートワークという新しい働き方が今後は当たり前になっていくのかもしれません。
今までとは違う働き方は、改めて自分にとって「働くとは何か」「何のために働くのか」という意味を考える良い機会とも言えるかもしれませんね。
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