男と女の心理の違い

「妻のトリセツ」という本が売れているそうです。

「妻が急に不機嫌になってしまったが、思い当たる節がない」こんな男性が多いようです。

その逆に、「鈍感な夫にイライラしてしまう」という女性も多いのではないでしょうか。

皆さんも、職場やプライベートで、「男性ってどうしてこうなの?」「女性ってどうしてこうなの?」と感じたことがあるのではないかと思います。

もちろん個人差はありますが、男性ならではのものの見方、感じ方、または女性ならではのものの見方、感じ方には傾向があります。

お互いの違いを知って上手にコミュニケーションをとるためにはどうしたら良いでしょうか。

男女の脳の違い

最大の違いは脳にあります。男脳、女脳と言いますが、男女では脳の作りに違いがあるのです。

例えば右脳と左脳を結ぶ「脳梁」という部分は女性の方が太いため、女性は多くのことを同時に行うことができたり、柔軟な発想をもつことができます。つまりマルチモードで対応できるのです。

ところが男性はワンモードなのです。右脳と左脳の切り替えに時間が掛かるため、一つのことに集中するとなかなか他に意識が行かないことが多いのです。

気持ちの切り替えも一般的には女性の方が上手です。

仕事が終わると女性はすぐに母の顔に切り替えて家事に取り掛かれる、という人が多いのですが、男性はそういかず同僚と一杯飲みに行ったり、コンビニで立ち読みしたり、というワンクッションが必要だったりします。また、切り替えが苦手なので、失恋をひきずりやすいのは男性の方といえるかもしれません。

また、記憶を司る海馬という部分も女性の方が大きいと言われています。

海馬が大きいと、物事を感情と共に保持しておく「エピソード記憶」と言われる機能の働きが強くなると言われています。

よって、女性は出来事とともにその時の感情をよく覚えているのです。

男性は、ケンカをしても仲直りをすれば、それは「終わった出来事」としての記憶しか残りません。ところが女性はケンカをした時の嫌な気持ちを出来事と一緒にずっと覚えているのです。

熟年離婚を言い出すのは圧倒的に女性から、と言われますが、女性は「あの人はあの時こうだった、この前もこうだった」と、長年蓄積してきた不満をある時爆発させることがあります。しかし、男性は記憶に感情が伴っていないことが多いので、「何を突然?」と驚いてしまうことになるのです。


脳の違いはなぜ生まれたのか

なぜ、このような脳の違いが生まれたかというと、古代の動物的な役割によって脳の発達が違ったからなのです。

古代、男性には食べ物の調達という役割がありました。効率よく獲物を獲得するために、心身両面で他者と競い合い、グループを組織して上下関係を作りました。また、動く標的に集中して確実に仕留めたりする能力を発達させました。

一方、女性は家族を育てることが最大の役割でした。グループで横の人間関係を作って皆で子育てをしたり、家族が無事に生きていけるよう、顔色や体調に敏感に気づく必要がありました。

女性は感が鋭い、と言われますが役割に見合った能力を発達させてきたのです。

男女の悩みの違い

このような特徴から、男性が抱えやすい悩みと女性が抱えやすい悩みにも違いがあります。

それは、男性は「競争関係の悩み」、女性は「協調関係の悩み」を持ちやすいということです。

男性の場合は「後輩に追い抜かれそうだ」などの組織の上下関係に関わる悩みや、「実力を発揮できずに自信をなくしている」などという能力に関する悩みが多いのです。

一方女性の場合は、「仲間に入れない」「悪口を言われている」などという他者との協調に関する悩みが多いのです。

男性へのかかわり方のポイントは?

つまり、男性は競争関係の中で勝つこと、または何らかの形でプライドを保てることを大切にしている人が多いのです。

よって、男性と関わる時にはその価値観を尊重してあげることが重要です。

女性からみると勝ち負けにこだわる男性の姿は、時に滑稽に感じることがあるかもしれません。でも、男性にとってみれば譲れない大切なポイントなのです。

一般的に男性は褒められたり、頼られることを好みます。その人が持っている能力を認めてプライドを傷つけないことが重要です。

女性へのかかわり方のポイントは?

一方、女性が大切にしている価値観は「他者との協調」や「共感」です。

協調を重視する女性は「贔屓」をとても嫌います。誰かが贔屓されることも許せませんが、自分が贔屓されることも苦手です。なぜなら、「他の人から自分はどう思われてしまうのだろうか?」という不安を感じてしまうからです。女性にとってはグループからはじき出されてしま事が一番の恐怖といえるかもしれません。

また、女性から相談を受けると、すぐに解決策を提示してしまう男性が多いのですが、女性が求めているのは解決ではなく共感なのです。「仕事が大変なの」という話かけに対し、どうすればよいか、という解決策ではなく「そうか、それは大変だね」という共感が欲しいのです。


このように男と女の心理には大きな違いがあります。ところがそれを無視して自分の「当たり前」を相手に押し付けてもうまくいきません。

良いコミュニケーションを取るためにはまずお互いの違いを知ることが重要です。

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カテゴリ:コラム