良いコミュニケーションが取れない原因は?
・人に嫌われるのが怖い
・相手に良いように利用されてしまう
・限界に達すると泣き叫びながらキレてしまい自己嫌悪に陥る
こんなことはないでしょうか。
相手と良いコミュニケーションが取れない原因の一つに、「自分の気持ちを表現することにブレーキをかけてしまう」ということがあります。
このようなタイプの人は、抑えるかキレるかの二者択一になってしまいがちです。
その根底には、「人に不快な思いをさせてはいけない」「怒りを表すことは良くない」「感情的になることは子供っぽいことで良くないことだ」などの考え方があることがあります。
「こうあらねばならない」とか「こうあるべきだ」というように自分自身を苦しめるような考え方を心理学者A・エリスが創始した論理療法では「イラショナルビリーフ」と言います。
このイラショナルビリーフがつまりはブレーキになってしまっているということです。
ではなぜこういうパターンを持つようになったのでしょうか。
イラショナルビリーフの原因は?
私たちのコミュニケーションのパターンというのは、誰でも幼少期の家庭環境の中でその基礎が作られていきます。そして、成長し、他人とかかわっていく中で、この家庭内でのパターンが修正されてくるわけです。人を見て自分の自己表現を変えていったり、自分を打ち出してみたりまた引っ込めてみたり、とワンパターンではない柔軟なコミュニケーションを身に着けていくのです。
ところが、幼少期に作られたパターンがあまりに強力で、そこに縛られてしまったり、成長段階で他者とかかわる機会が乏しく修正できなかったりすると、その後に様々なコミュニケーションの問題を抱えてしまう場合があります。
例えば、喜怒哀楽や「甘えたい」「認めてほしい」などの誰でもが持つ素直な感情を表した時に、親から抑え込まれたり非難されたりすると、自分を守るために「感情を表さずに生きていこう」という決断をすることになります。これを脚本分析では幼児決断と言います。
そしてその結果、「感情を表わすべきではない」というイラショナルビリーフを持ちやすくなるわけです。
このように、幼少期に身に付けたパターンを、子供の頃の条件づけで繰り返してしまっている人がいます。子供の頃には、親との関係の中で自分を守るために必要だったパターンだったとしても、大人になった今、それが誰に対してもどこでも必要なパターンなのかを検討する必要があります。大切なのは、時と場合、相手に応じて対応できる柔軟性を持つことです。
そしてイラショナルビリーフに気づき、修正することです。
車の運転に例えると自分の感情というのはアクセルです。そしてイラショナルビリーフがブレーキです。本当は相手や状況を見ながらアクセルとブレーキをうまく調整できることが望ましいわけです。アクセルだけではやはり人間関係がうまくいきませんし、ブレーキだけでは苦しいですよね。
また、アクセルとブレーキを同時に踏んでしまうと、前に進みません。両方の力が強ければ強いほど、負担がかかります。
ではどうしたら良いのでしょうか。
解決策は?
アクセルの部分、つまり感情は意志の力で変えることはできません。
大切なのは、ブレーキ、つまりイラショナルビリーフの部分を少々修正することです。
「人に不快な思いをさせないに越したことはないが、意図せずそうなってしまう時もある。それは仕方のないことだ。」「怒りを表すべきでない場合もあるがそれはいつもというわけではない」と考えるのが現実的です。
だからと言って何でもかんでも自分の感情を表せばいいというわけではありません。「言えない」のではなく「言わない」ということが大切なのです。つまり状況に応じて言う、言わないを自分の意志でコントロールできることが重要です。
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