子供の健全な発達とは?➂~親がやってはいけないこと~
前回、子どもの心と脳の発達について書きましたが、子どもの脳が発達する=心が発達するためには、幼少期が重要であるとお話ししました。
ところが時に親が適切にかかわらないために子供の心の発達を妨げてしまうことがあります。
子供の心の健全な発達を妨げてしまう親の態度とは・・・
- 過保護、過干渉
- 過期待
- 過放任
- 過許可
などです。
過保護、過干渉
子供が傷ついたり躓いたりしないように、親が先回りしていろいろ手を出したり口出ししすぎてしまうんですね。そうすると、子供は自分で困難に立ち向かっていくことができず、依存心が強い子供になってしまったり、嫌なことがあるとすぐに周りや環境のせいにして、自分で解決することから逃げてしまうようになってしまいます。
過期待
過剰に子供に期待しすぎることです。親の理想が高くて、「○○ちゃんならもちろんできるわよね」「お前はお父さんの子なんだからこんなことじゃ恥ずかしいぞ」などとプレッシャーをかけ過ぎることです。
子供は親から愛され、保護されなければ生命にかかわるということを本能的に知っています。だから、親から期待されたことには必死に応えようとします。
ところが期待に応えられないと、「自分は親を喜ばせられないダメな人間なんだ」という自己否定感をもってしまい、自信のない子供になってしまいます。では、期待通りにできれば良いかというと、今度は親の顔色ばかり伺って、自分の人生を自信をもって歩めなくなってしまいます。子供は過剰に期待されると、「○○できれば愛される」という条件付きでしか、自分を認めることができなくなってしまいます。
子供の自己肯定感を育むためには、条件付きではなくそのままの子供の存在自体を丸ごと認めることが重要なのです。
過放任
過放任というのはほったらかしすぎ、ということです。過放任の最たるものはネグレクトです。親が自分のことを優先するあまり、子どもに目をかけず、その結果子供が命を落としたりして、事件になったケースもありました。
このような親の元で育った子供は、「自分はいなくてもいい存在なんだ」「親にとって邪魔な存在なんだ」というメッセージを受け取ることになります。これでは自分を大切にするという感覚がもてなくなってしまいます。
自分を大切にする感覚が持てないと、自暴自棄になって援助交際を繰り返したり、非行に走ったり、反社会的な行動を取ることもあります。
また、自分を大切にすることができなければ他者を大切にすることもできません。だから他者との暖かい人間関係が作れないということもあります。
過許可
過許可とうのは、子供に許可しすぎ、権限を与えすぎ、ということです。多くの場合は、親が子供に対して「構ってあげられない」などの罪悪感があって、それを埋め合わせするために、親が子供の顔色を窺って、お金や権限を与えすぎてしまうというものです。
このような環境で育った子供は自分の対人関係も相手の顔色を伺い、お金で解決しようとしてしまいます。また、子供というのは、お金や権限を制限されているから、夢や希望が持てるんです。早く大人になって自分の自由にしたい、なんていう経験は多くの人が桂冠しているのではないでしょうか。ところが、このような環境に育つと、そのような夢や希望は持てず、何をやっても味気ない、虚しい、無気力な子供になってしまいます。
今、4つ見てきましたが、注意して頂きたいのは「過剰に」ということが問題なのだということなんです。過剰でなければ、どれもある程度は必要なことなのです。
では、どうしたらこのようなかかわりを防げるのでしょうか。
それはまた次回、お話しします。
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