トラウマ(PTSD)の克服方法
「トラウマになっちゃいそう・・・」「あのことがトラウマになっている」なんて、日常会話の中でもよく使われる「トラウマ」。
実際にはトラウマ体験とは、災害や事故、事件など、命に係わるような出来事に遭遇したり、虐待、いじめ、レイプなどの被害にあったり、またはそうした大変ショッキングな現場を目撃してしまったりという非常に強いストレスを伴う体験を言います。
そしてそのことが原因で、時間が経過したにも関わらず下記のような症状が持続し日常生活に支障をきたすものをPTSDと言います。
①フラッシュバック
突然、つらい思い出がまるで今ここで起こっているかのようによみがえってきます。
②緊張状態
常に神経が張り詰めていて、よく眠れない、イライラしやすい、不安、など周りの状況に過敏になります。
③感情の麻痺、抑うつ状態
何をしていても楽しいと感じられない、周りの人から自分だけが浮いている感じがすることがあります。
④トラウマ体験を思い出させるものの回避
辛い思い出を思い出させるような物や人、話題を避けるようになります。
そのために社会生活に支障が出ることがあります。
なぜ、このような症状が起きるのでしょうか。
私たちの脳には海馬という記憶を司る部分があります。
一説によると本来であれば出来事が起きた順番に記憶が整理されてストックされているはずが、強いショックを受けたことによって海馬が委縮し記憶がバラバラにストックされてしまうらしいのです。
だから「もう過去の出来事なんだ」と整理することができず、急にその記憶がよみがえってきて苦しくなったりするというのです。
ではPTSDを克服するためにはどうしたら良いのでしょうか。
その一つの方法が、
①自分の言葉で辛い出来事を話すこと
心の傷となった出来事を時系列順に自分の言葉で話していくことです。辛い作業ですが、心の傷を外在化することでバラバラだった記憶を整理していきます。こういう作業を行動療法では徐反応法といいます。
②受け取り方を変える
避けようのなかったことに対して、「自分が悪かったからそうなった、自分のせいだ」などと自分を責めて苦しくなっていることがあります。
自分で変えられることとそうでないことを区別し、辛い出来事に対する受け取り方を検討していきます。
③避けていたことに向き合う
行動療法の現実エクスポージャーという方法です。避ければ避けるほど不安が増します。
例えば人混みが怖い、という人は少しずつ段階を追ってあえて人混みに紛れることをします。これにより段々不安感が減少していきます。
PTSDは、非常に大きなショックやストレスを受けたときの当然の反応なのです。
自分の心が弱いからなどと自分を責めず、対処することが必要です。
ただ、これらの方法は、カウンセラーと共に段階を追って行う必要があります。
また、認知行動療法と称してやみくもに行うとより大きな心の傷になることもあるので十
分注意が必要です。
そこで必要となるのがカウンセラーとクライエントの信頼関係です。
経験豊富な実績のあるカウンセラーのもとで慎重に行っていくこが求められます。
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